スタッフのお勧めエリア

TOP > スタッフお勧めのポイント!

【レポート:水澤 史】

至高の名峰オルトレス、チェヴェダーレ、グラン・ゼブルを訪ね歩く旅9日間


いよいよ今日から待望のオルトレス・チェヴェダーレ山系を訪ね歩く拘りのトレッキングの旅がスタート。 朝9時に滞在中ボルミオを出発、専用車でヴァル・フルヴァのサンタカタリーナ方面へ。 ギャヴィア峠との分岐を北へ、フォルニ小屋(2178m)まで専用車でアクセスします。フォルニ小屋付近からの風景は、東側に目を向けると氷河に覆われた迫力あるチーマ・デイ・ペイオ(3549m)とサン・マテオ(3678m)に目を奪われます。フォルネ渓谷に沿って、整備された道をブランカ小屋(2493m)までゆっくりと登ります。 迫力あるフォルネ氷河を眺めながら約1時間であっという間に到着。 ランチタイムは、ブランカ小屋で恒例のヴァルテリーナ料理の代表格、ピッツオケリ(そば粉のパスタ)をはじめニョッキなどこの地の郷土料理を満喫。


ランチ後は、フォルネ氷河を目指してサン・メテオ(3678m)に迫るほど急峻な岩場を登っていきます。北に目を移すと今まで見えなかったグラン・ゼブル(3851m)の特徴あるピークが北側に氷河を纏った姿で現れます。初日ながら、氷河までかなり近い標高2600m付近まで登って頂きました。モレーン帯、お花畑と変化に富んだフォルネ渓谷の絶景ループトレイルは、国立公園内にてゴンドラ、リフトなでの人工物がない美しく贅沢な風景なのです!チーマ・ソルダ(3376m)へ登る為のトレイルとしては最適なルートです。標高差約520m、歩行距離約10km、歩行時間約4時間15分でした。


朝一番で再びヴァルフォルネへ、4WDジ—プでヴァルチェデックをペッツィーニ小屋2700mまで運んでもらいました。カサッテイ小屋(3269m)まで標高差約570mをチェヴェダーレ(3769m)、サンマテオ(3768m)、トレゼーロ(3595m)、そして目標でもあるグラン・ゼブル(3851m)の名峰の数々が時よりの晴れ間から、その絶景を楽しませてくれます。雪が降ったのでアイゼン装着にて、約2時間でカサッテイ小屋へ到着! ランチ後は、チーマソルダ(3370m)へわずか片道40分のピークハントを楽しみました。 南側には、大氷河を隔てて南チロルのソルダ渓谷の絶景が広がります。ロンバルディア側、南チロル側の山岳風景が交錯する唯一の地。参加メンバー全員が真冬状態のカサッテイ小屋への登りに成功し、南チロルの風景をさらにチーマソルダのピークから体験頂けたことでツアー前半の目的を達成頂けました。


カサッテイ小屋~ゼブル峠~ヴァレ・ゼブル


今朝は朝焼けを期待しましたがカサッテイ小屋周辺の3200mは雲海の中、残念ながら朝焼けと日の出を拝むことはできませんでした(平出さん上空からのドローンで撮影した写真では美しいオルトレスが)。 しかし、朝食後には雲も完全になくなり360度の絶景が視界に現れ感激。 朝一番で広大でチェヴェダーレ氷河を南側(南チロル側)へ氷河トレッキング。 大雪原を約30分も歩けば、アルト・アディジェ州側からのグラン・ゼブル、ゼブル、オルトレスの調和をしっかりと確認できました。北側にはヴァレシュナーレス、エッツターラアルペンも遠望できます。ふとカサッテイ小屋に目をやるとその奥には4000m級のベルニナ山群がくっきりと姿を見せてくれていました。


チェヴェダーレ氷河散策後は、カサッテイ小屋のステファノ一家と別れを惜しんでから、背負わない荷物をリフトに乗せて下山準備完了。急峻な下りをペッツイーニ小屋まで標高約560mを降ります。 途中からの雪渓ではまたアイゼンを装着してかなりの斜度を降りて行きます。再び壮大なチェデック渓谷とフォルニ渓谷の風景を始終眺めながら降ります。氷河を纏ったペイヨ、カデイナ、トレゼーロ、そしてチェヴェダーレの南斜面に流れ落ちる大迫力の氷河に圧倒されます。
ペッツイーニ小屋でのランチは前日にリクエストしていた野菜スープで簡単に済ませて時間短縮。オーナーがスープのおかわりを促してくれたのもうれしいです!南チロルの山岳スキーガイド達が、バックカントリースキーの時にカサッテイに泊まる派とペッツイーニ小屋に泊まる派に分かれるのをちょっと思い出しました。ペッツイーニ派はやはり食事がとても素晴らしいという理由でした。
ランチ後は、今日のもう一つのハイライトでもあるゼブル峠&ヴァレ・ゼブルの渓谷歩きに挑戦してきました。 標高約3000mの峠までペッツイーニ小屋から約300mの絶景の登りをゆっくりと楽しめました。南側、東側にから眺めるグラン・ゼブル、オルトレスの違う表情を楽しめるのは最大の魅力です。
また、オルトレス、チェヴェダーレそしてステルヴィオの国立公園の東側の大半の山々を一同に眺めることができるドラマチックな峠こそゼブル峠なのです。 しばしのゼブル峠からの絶景を楽しんで後は、誰も歩いていない急峻なV字のゼブル渓谷に入り込んで行きます。冬の残雪が多く、幾度となく雪渓と沢に阻まれながら標高2500m付近まで慎重に下って行きます。 メドウエリアに出ると高山植物が咲き乱れメンバーの足も写真撮影に力が入ります。 この周辺ではエーデルワイスもサンタ・カタリーナのサニーヴァレーとこのゼブルヴァレーには咲いています。
お客様が私より先にひっそりと咲いているエーデルワイスを発見。その上部に目を凝らすと群生しているのがわかります。
途中のアルピーニ山小屋との分岐地点では、アルパインアイベックスが悠々と岩苔を舐める固体に遭遇。一匹で最初私たちを警戒していたようですが、マーモットの警戒の鳴き声にも反応して一旦は遠ざかったのですが、また近寄ってきてとても私たちに興味があるようです。野生動物それも希少なアルパインアイベックスとの遭遇はラッキーでした!まだまだ急峻なV字谷のトレッキングは続きます。森林限界より低いエリアは、緑眩い堆積地層が花々、草木を育みやがて人里へと景観を変化させながら。 残雪からの雪解けが沢をつくり、落差によって多方向からの滝となり、麓に至る頃にはそれがアッダ川の支流となってボルミオ周辺を流れます。このゼウル渓谷は、麓からのアプローチも長い為か、上部からは3000m級のゼブル峠を自分の脚で登ってこそ入り込める秘境なのです。
標高差も約850mの下りで、標高2168mバイータ・パストイの家畜小屋で終了です。

ボルミオ~ステルヴィオ峠~トラフォイ~ソルダへ


今日は早くも4日目、ハイライトの一つでもあるステルヴィオ峠からオルトレス(3905m)の西斜面を始終眺めながらのパノラマルートを歩きました。まず、朝一番でボルミオ3000mの展望台へ上がり、昨日まで歩き訪ねたフォルニ氷河、グラン・ゼブル、オルトレスを南側からほぼ同じ目線で、そしてヴァルフルヴァ渓谷を高い位置から大パノラマを眺めて頂きました。残念ながらスイスのベルニナ山群は、雲が掛かって見ることができず。しかし、北側には氷河を頂くヴァレシュナーレス(シュナルツタール)やその奥にチロル最高峰ヴィルドシュピッツがはっききりと視界に捉えることができます。







いよいよボルミオからステルヴィオ峠約2700mへ移動、氷河を纏ったクリスタッロ峰(3439m)では、サマースキーのメッカ、例年のジロ・デ・イタリアの山岳ステージ屈指の峠、サイクリストの往来が絶えません。
また、モーターバイクもここでの絶景には足を止めて堂々としたオルトレス(3905m)の勇姿に見入ってしまいます。
ステルヴィオ峠からのトレッキングは、なんといっても勇ましくも美しいオルトレスの西側からの景観を始終眺めて歩けるパノラミックコースが最高です。
今年は残雪が多く、予想以外に雪渓が溶けずに、危険を伴うトラバースもありました。 しかし、ゆっくり慎重に難所を乗り切りながら、絶景のオルトレスと高山植物をずっと満喫しながらの約3時間30分の至福のトレイルを体験。トラフォイに到着すると雲行きが怪しくなり、下山リフトではまさに豪雨と雷に遭遇!長いリフトで洗練を受けました。まあ、ほぼ歩き終わった後だったのが幸いです。
トラフォイ村は、イタリアンスキーのレジェンド、グスタボ・トエニの出身地、その娘家族が経営するベラビスタホテルでお茶と自家製アップルステュルーデルを頂きました。 トエニさん本人は不在でしたが、数々の彼の戦歴を収めた博物館を見学したり、娘達から父親がトラフォイとステルヴィオ峠でスキーに励んだ背景を説明して頂きました。
1972年の札幌オリンピックではGSで金、SLで銀とメダルを獲得しています。 豪雨の後の特別な時間となりました。参加メンバーの皆さんが疲労困憊ながら最後の滞在地ソルダへ移動為か、上部からは3000m級のゼブル峠を自分の脚で登ってこそ入り込める秘境なのです。
標高差も約850mの下りで、標高2168mバイータ・パストイの家畜小屋で終了 しました。









ソルダ~ランゲンシュタイン~ヒンターグラット小屋~ミラノ小屋


今日はソルダ側(南チロル側)からオルトレス(3905m)、ゼブル(3740m)、グラン・ゼブル(3859m)、そしてロンバルディア側から登ったチーマソルダ(3376m)をより近く歩ける。これぞオルトレスという絶景、迫力、唯一無という歩き応えのあるトレイルに挑戦。ソルダの街1900mから美しい教会、湖水越しにオルトレスを眺めてからランゲンシュタイン2350mまでリフトで上がります。昨冬にスキーで滑走したコース、冬は寂しいエリアですが夏はオルトレス直下のコースにて、雄大な景観、ソルダ渓谷のV字谷の急峻なコースが眼下に広がります。




氷河が迫り出すオルトレスの北斜面、造山運動と氷河が複雑に流れたことによって他方向に圧力が掛かって形成された突起のある山肌は近くで見ると迫力満点。
切り立った崖を左手に見ながら、始終オルトレス、グラン・ゼブルを感じながら歩く醍醐味を体験頂きました。
ハイライトとなる景観は、ヒンターグラット小屋2661mから湖水を隔ててこの3山が聳え立つ美しさに思わず唸らずにはいられません。今までにないソルダハイキングのとっておきの風景と出会えます。
ランチは折角なのでヒンターグラット小屋のテラスで絶景ランチを満喫。ここからのグラン・ゼブルは格別に素晴らしい!食事も美味しいのが自慢です。午後はこのトレイルの名前、センテイエーロ・ジオッチアイオ(氷河の道)をグラン・ゼブルの氷河、懸垂氷河を見ながらモレーン帯、氷河上の堆積土を絶景の中を永遠に歩きます。標高差は約300mしかし、実際は降りたりしているので約500m、歩行時間約4時間の変化に富んだ本科的なトレイルを体験。かなりソルダエリアでは標高差、緊張感のあるトレイルです。
そして最後は、数日前に滞在していたカサッテイ小屋への氷河ルートを確認して終わります。
オルトレス、チェヴェダーレ、グラン・ゼブル、モンテ・ゼブルをロンバルディア州、トレンティーノアルトアジジェ州を超えて、イタリアと南チロル(特別な地)南北から入る込む風景に出会う山旅を心底実感頂けたと確信しております。ソルダの教会の音も響いて来る頃、静寂な秘境の夕暮れがはじまります。オルトレス山塊を歩き訪ねるロンバルディア地方と南チロル地方の山旅は、200パーセント、あなたの心に響く山旅になることでしょう。夏はトレッキング、サイクル、そして冬はスキーで是非とも御体験下さい!

企画エスコート: 水澤 史





ページトップへ