スタッフのお勧めエリア

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ヨーロッパアルプスを知り尽くしたスタッフが、自分の足で歩いて見つけたお勧めエリアの情報です!

  • オーストリアハイキング
    レポート:杉山 なをみ
  • ヨーロッパアルプスの東部に広がるオーストリアの山岳地帯。アルプスウェイではオーストリアアルプスの魅力が詰まったチロル地方、ザルツブルガーランドを中心にご案内します。4000m峰こそないものの、氷河と万年雪をかぶった3000m峰の連なりと麓に広がる牧草地の風景が多くの魅力的な谷を形成しています。今回はその中でもチロル州の州都インスブルックから南に伸びるスチューバイタール(谷)のお薦めハイキングトレイルをご紹介します。スチューバイタールではノイシュティフトに滞在し路線バスやゴンドラを駆使して、氷河を持つ山々を見上げ牛がのどかに草を食む牧草地を歩きましょう。


    スチューバイタールの眺望を楽しむエルファーアルム ノイシュティフトの街から延びるゴンドラにて乗ってエルファーアルムへ。街からも見えるエルファーシュピッツェに迫るトレイルです。冬はスキー場となるこのエリアは夏にはハイキングやパラグラインディングを楽しむ人で賑わいます。ゴンドラを降りてからしばらく登ると、エルファーヒュッテに到着。ここからはノイシュティフトの村とインスブルックからスチューバイ氷河に向かって豊かな緑を育むスチューバイタールのパノラマが楽しめます。背後には突如丘から現れたかのようなエルファーシュピッツェの岩峰が間近に迫ります。エルファーヒュッテを後にして、ピンニスタールに向けて緑に囲まれたトレイルを緩やかに下ります。谷を挟んだ左手にはドロミテを思わせる岩山が連なり、右手前方には存在感のあるハビヒト(3277m)が聳えます。この山はスチューバイ氷河からスチューバイタールを眺めたときにも最も目に付く堂々とした山容が目を引きます。しばらく下ったカールアルムからはそのままピンニスタールの谷へと下り車でノイシュティフトまで戻ることも出来ますし、ピンニスアルムの山小屋を経てエルファーアルムに登り返すことも可能です。オーストリアアルプスには素朴で味わいのある山小屋が点在していますので、このような小屋で足を休めてヤウゼ(軽食)タイムを楽しむはいかがでしょうか。




    ツーカーヒュートルの懐に迫るパイルヨッホ峠越えハイキング 健脚の方にもご満足頂けるイチオシコースが、グラワアルムの峠越えのトレイルです。ノイシュティフトから路線バスを利用し谷奥のスチューバイ氷河へ。まずはゴンドラを乗り継ぎ標高3158mトップ・オブ・チロル展望台まで登ってみましょう。ここからは周囲のチロルの山々はもちろん、マルモラーダ山などのドロミテ山群まで見渡すことができ、トップ・オブ・チロルの名にふさわしいパノラマが楽しめます。景色を楽しんだ後はゴンドラで中間駅のフェルナウ(2300m)まで下りハイキングのスタートです。一部固定ロープの付けられたトレイルを登りパイルヨッホ(2672m)を目指します。急な箇所もあるので慎重に登っていくと、多数のケルンが積まれたパイルヨッホに到着。ここからは名峰ツーカーヒュートル(3507m)が姿を現し、そこから流れるスルツェナウ氷河が足元に迫ります。登ってきた疲れを忘れさせてくれる素晴らしい景色に出会える絶景ポイントです。ここからはスルツェナウ氷河の間近を通り、グラワアルムまで下っていきます。登山客も宿泊するスルツェナウ小屋でランチを取ったあとは、広々とした牧草地や林間コースなど変化に富んだ景観を通りグラワアルムまでくだります。標高差があり5時間を超える歩行時間のコースですが、その分氷河を間近に望む山岳風景やのどかな牧草地のアルムまで様々な景観と達成感を感じられるルートです。



    オーストリアアルプスにはマッターホルンやモンブランはありませんが、素朴な雰囲気を残す牧草地と夏スキーも楽しめる雄大な氷河エリアなど魅力は尽きません。実際に足を運んだときにその良さを実感できる、それがオーストリアアルプスです。

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